胃もたれ 胃痛 胸やけ 嘔吐 胃酸の逆流 腹痛 腹部膨張感 食欲不振
上記の症状やお悩みは、ピロリ菌に感染している可能性があります。ピロリ菌に感染すると、胃がんのリスクも高まるため、早めに当院を受診しましょう。
ピロリ菌の正式名称は「ヘリコバクター・ピロリ」。バクターとはバクテリア(細菌)、ピロリとは胃の出口(幽門)を指すピロルスからきています。それは、このピロリ菌が胃の幽門部から発見されたことに由来します。このピロリ菌は、酸素の存在する大気中では発育できず、酸素にさらされると徐々に死滅します。体長は0.5 × 2.5〜4.0 μm(※)で、数本のべん毛を持ち、このべん毛を使って胃の中を移動します。しかし、胃の中は強酸性であるため、そのままだとピロリ菌は生育することができません。ピロリ菌は自らが持つウレアーゼという酵素を使ってアンモニアを生成し、自分の生息しやすい環境を作り出しています。(※)1 μmは10^(-6) mです。
幼年期は、胃酸の分泌量が少なく、さらに免疫機能が十分でないため、口から入ったピロリ菌が胃の中に住み着いてしまいます。幼年期に衛生環境が良くなかった世代は約80%もの人が感染していました。衛生状態が改善され、感染率は全体的に下がってきていますが、現在の若年者においても10%弱の人が感染していると考えられています。一度ピロリ菌に感染した方は、胃がんが発生するリスクがありますので、ピロリ菌感染が少しでも疑わしい方は、ぜひご相談ください。
ピロリ菌の除去治療には、胃酸の分泌を抑制するお薬と2種類の抗菌薬の3種類のお薬が用いられます。この3種類のお薬を1週間毎日服用することで、約7割~8割の方は除菌に成功すると報告されています。1回目の除菌が成功しなかった場合は、抗菌薬を変えて2回目の除菌を行います。2回目の除菌で全体の約95%の方がピロリ菌を駆除できます。 ※日本ヘリコバクター学会:ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎の診断と治療 https://www.jshr.jp/medical/journal/file/supplement.pdf
1次除菌と2次除菌は保険審適応となります。2次除菌が成功しなかった場合の3次除菌は自由診療となります。当院では、2次除菌まで保険適用となり、3次除菌以降は自由診療となります。
【当院の内視鏡検査はこちらよりご参照ください】
胃痛・胃もたれ・胸やけ・嘔吐などの症状がある方は、ピロリ菌に感染している可能性があります。自分は大丈夫だ、とピロリ菌の感染による慢性胃炎を放置していると、胃がんを発症してしまう可能性があります。少しでも症状がある方は早めの段階で当院を受診しましょう。