消化器内科で行われる検査は?
「胃の調子が悪いけど、どんな検査をするんだろう?」 「大腸の検査って痛いのかな…?」
お腹の不調を感じて消化器内科の受診を検討している方にとって、どのような検査が行われるのかは大きな関心事であり、同時に不安を感じる点かもしれません。検査の内容や目的を事前に知っておくことで、安心して診療に臨めるはずです。
今回は、当クリニックをはじめとする消化器内科で一般的に行われる主な検査について、その目的や特徴、そして何がわかるのかを分かりやすく解説します。
■消化器内科の検査とは?なぜ必要なの?
消化器内科では、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸といった消化管だけでなく、肝臓、胆のう、膵臓などの臓器に生じる様々な病気を診断・治療します。お腹の不調の原因は多岐にわたるため、正確な診断を下すためには、症状や診察だけでなく、必要に応じて各種検査を行うことが不可欠です。
検査の主な目的は以下の通りです。
- 病気の早期発見: がんや潰瘍などの重篤な病気を早期に見つけ、早期治療につなげます。
- 症状の原因特定: 胃もたれや腹痛、下痢、便秘など、患者様のお悩みの症状が何によって引き起こされているのかを突き止めます。
- 病状の評価: 炎症の程度や病変の広がりなどを評価し、治療方針の決定や治療効果の確認に役立てます。
■消化器内科で行われる主な検査の種類
当クリニックで主に行っている、代表的な消化器系の検査をご紹介します。
1. 胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)
胃カメラは、口または鼻から細いスコープを挿入し、食道、胃、十二指腸の内部を直接観察する検査です。モニターに映し出される映像を見ながら、炎症、潰瘍、ポリープ、がんなどの有無や状態を詳細に確認できます。
- 目的: 胸やけ、胃もたれ、胃痛、吐き気、げっぷ、食欲不振、体重減少などの症状の原因を調べる。逆流性食道炎、胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がんなどの診断。
- 特徴:
- 直接観察できる: 粘膜の色や凹凸、出血の有無などを肉眼で確認できるため、高い精度で病変を発見できます。
- 生検(組織検査)が可能: 疑わしい病変が見つかった場合、その場で組織の一部を採取し、病理検査に提出することで、がんなどの確定診断ができます。
- ピロリ菌検査も同時に: 胃の中にピロリ菌がいるかどうかを調べる検査も同時に行えます。
- 当クリニックの工夫: 患者様の負担を軽減するため、経鼻内視鏡(鼻から挿入)や鎮静剤(眠くなるお薬)を使用した検査も選択いただけます。ウトウトしている間に検査が終わるため、「胃カメラは苦しい」というイメージをお持ちの方も安心して受けていただけます。
2. 大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)
大腸カメラは、肛門からスコープを挿入し、**大腸全体から小腸の一部(回盲部)**までを直接観察する検査です。大腸の粘膜の状態を詳細に観察し、炎症、ポリープ、がん、潰瘍性大腸炎、クローン病などの病気を診断します。
- 目的: 便秘、下痢、血便、腹痛、便が細くなった、お腹の張り、大腸がん検診で便潜血陽性だった場合の原因を調べる。大腸ポリープや大腸がんの早期発見。
- 特徴:
- 大腸がんの早期発見・予防に不可欠: 大腸がんは早期に発見すれば治癒率が高い病気です。また、がんになる前のポリープ(腺腫)を切除することで、将来のがん予防にもつながります。
- ポリープ切除も可能: 小さなポリープであれば、検査中にその場で切除(日帰り手術)することが可能です。
- 生検(組織検査)も可能: 疑わしい病変が見つかった場合、組織を採取し、病理検査で確定診断を行います。
- 当クリニックの工夫: 患者様に苦痛なく検査を受けていただくため、経験豊富な医師が丁寧に挿入し、鎮静剤を使用することで、リラックスした状態で検査を受けていただけます。また、検査後のリカバリースペースも完備しており、安心して過ごしていただけます。
3. 腹部超音波検査(腹部エコー検査)
超音波(エコー)を使って、お腹の臓器を画像化する検査です。体の外からプローブを当てて調べるため、痛みや被ばくの心配がなく、妊娠中の方も安心して受けられます。
- 目的: 肝臓、胆のう、膵臓、腎臓、脾臓などの状態を調べる。脂肪肝、胆石症、胆のうポリープ、膵臓の腫瘍、腎臓の病気などの診断。
- 特徴:
- 非侵襲的: 体に負担が少ない検査です。
- リアルタイムで観察: 臓器の動きや血流などもリアルタイムで確認できます。
- 繰り返しの検査も可能: 経過観察が必要な場合にも適しています。
- 血液検査
採血によって、様々な項目を分析し、全身の状態や特定の臓器の機能、炎症の有無などを調べます。
- 目的: 貧血の有無、肝機能(AST/ALT/γ-GTPなど)、腎機能、膵臓の機能、炎症反応(CRPなど)、腫瘍マーカー(がんの可能性を示す指標)などを調べる。ピロリ菌感染の有無の確認(抗体検査)も可能です。
- 特徴: 多くの情報が得られ、他の検査と組み合わせて総合的に診断を行います。
5. 便潜血検査
便の中に血液が混じっているかどうかを調べる検査です。肉眼では見えない微量の出血も検出できます。
- 目的: 大腸がん検診のスクリーニングとして広く用いられます。陽性の場合、大腸からの出血が疑われるため、精密検査(大腸カメラなど)が必要になります。
■安心してご来院下さい
お腹の不調は、日常生活の質を大きく低下させます。その原因を正確に突き止めるためには、適切な検査が不可欠です。
いちょうの森クリニック浦安では、患者様一人ひとりの症状やお悩みを丁寧に伺い、最適な検査をご提案いたします。検査に対して不安がある場合は、どんな些細なことでもお気軽にご相談ください。「もしかしたら…」と心配な症状がある方は、どうぞご遠慮なくご来院ください。