「なんだか最近、胃の調子が悪いな…」「お腹が張って苦しい…」 もしあなたがそう感じているなら、それはもしかしたら消化器系の病気のサインかもしれません。私たちの体の中で、食べ物の消化吸収を担う重要な役割を果たす消化器。その不調は、日々の生活の質に大きく影響します。

今回は、当クリニックにも多くの方がご相談に来られる「消化器内科で多い病気」について、分かりやすく解説します。

■消化器内科ってどんな病気を診るの?

消化器内科は、その名の通り、食べ物の入り口である食道から胃、十二指腸、小腸、大腸、そして肝臓、胆のう、膵臓といった消化に関わる臓器の病気を専門とする診療科です。

具体的には、以下のような症状がある場合に消化器内科を受診することをおすすめします。

  • 胃の不調: 胃もたれ、胃痛、胸やけ、吐き気、げっぷ
  • お腹の不調: 腹痛、下痢、便秘、お腹の張り、おならが増える
  • 食道の不調: 胸やけ、胸につかえる感じ
  • その他: 体重減少、食欲不振、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)、血便・黒い便

「これくらいなら大丈夫だろう」と自己判断してしまう方もいらっしゃいますが、症状が続く場合は、一度専門医に相談することが大切です。

■よく見られる病気とその特徴

それでは、具体的にどのような病気が多いのでしょうか。ここでは、当クリニックで多くの方が相談される病気とその特徴をご紹介します。

1. 逆流性食道炎

「胸やけがする」「胃酸が上がってくる感じがする」「のどに違和感がある」といった症状がある場合、逆流性食道炎の可能性があります。 これは、胃酸が食道に逆流することで、食道の粘膜が炎症を起こす病気です。食生活の乱れや肥満、ストレスなどが原因となることが多いとされています。 放置すると食道に潰瘍ができたり、稀に食道がんのリスクが高まるとも言われています。特に食べ過ぎや夜遅くの食事は、症状を悪化させやすいので注意が必要です。

2. 機能性ディスペプシア

「胃もたれが続く」「食後に胃がもたれる」「胃の痛みがあるけれど、検査しても異常がない」といった症状でお悩みの方はいらっしゃいませんか? このような場合、「機能性ディスペプシア」という病気が考えられます。胃の機能に問題があるにも関わらず、内視鏡検査などで明らかな異常が見つからないのが特徴です。ストレスや自律神経の乱れ、不規則な生活習慣が関与していることが多いとされています。

3. 過敏性腸症候群(IBS)

「お腹の調子が悪くなると、いつも下痢になってしまう」「急にお腹が痛くなって、トイレに駆け込みたくなる」「便秘と下痢を繰り返す」 このような症状が慢性的に続き、日常生活に支障をきたしている場合、過敏性腸症候群の可能性があります。 腸の働きに異常があるにもかかわらず、大腸内視鏡検査などでは炎症や潰瘍が見つからないのが特徴です。ストレスや睡眠不足、食生活の乱れが症状を悪化させると言われています。

4. 胃炎・胃潰瘍・十二指腸潰瘍

胃の痛みやもたれ、吐き気などの症状がある場合、胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍が考えられます。 これらは、胃酸や消化酵素によって胃や十二指腸の粘膜が傷つけられることで起こる病気です。原因としては、ピロリ菌感染、非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)の服用、ストレスなどが挙げられます。 特にピロリ菌は、胃がんのリスクを高めることが分かっており、除菌治療が推奨されています。当クリニックでは、ピロリ菌の検査から除菌治療まで一貫して対応しています。

5. 胆石症

「食後に右のわき腹やみぞおちあたりが痛む」「背中や肩にも痛みが広がる」といった症状がある場合、胆石症の可能性があります。 胆石とは、胆のうの中にできる結石のことです。胆汁の成分が固まってできるもので、食後に胆のうが収縮する際に痛みが生じることがあります。痛みだけでなく、黄疸や発熱を伴うこともあります。超音波検査で診断が可能です。

6. 脂肪肝・非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD/NASH)

「健康診断で肝機能の異常を指摘された」「お酒はあまり飲まないのに脂肪肝と言われた」という方もいらっしゃるかもしれません。 脂肪肝は、肝臓に中性脂肪が蓄積した状態を指します。アルコールの過剰摂取だけでなく、肥満や糖尿病、脂質異常症なども原因となります。 近年、アルコールを飲まない方でも脂肪肝になる「非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)」が増加しており、その中には肝炎、肝硬変へと進行する「非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)」も含まれます。食生活や生活習慣の見直しが重要になります。

 

■早期発見・早期治療が大切です

これらの消化器系の病気は、放置してしまうと症状が悪化したり、他の深刻な病気につながる可能性もあります。 例えば、逆流性食道炎が長期化すると食道がんのリスクが高まることや、ピロリ菌感染が胃がんの原因となることはすでにお話ししました。また、脂肪肝は万病のもとで糖尿病や心筋梗塞、脳梗塞を発症しやすく、肝硬変や肝がんへと進行するものもあります。

「もしかしたら…」と感じたら、症状が軽いうちに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが何よりも大切です。いちょうの森クリニック浦安では、地域にお住まいの皆さまが安心してご相談いただけるよう、日々診療にあたっております。


■いちょうの森クリニック浦安では、皆さまの「お腹の健康」をサポートします

いちょうの森クリニック浦安では、消化器内科の専門医として、浦安市の皆さまの「お腹の健康」をサポートしています。 当クリニックは、患者様の負担を軽減できるよう、経鼻内視鏡鎮静剤を用いた内視鏡検査など、苦痛の少ない胃カメラ・大腸カメラ検査を行っています。また、超音波検査(エコー検査)や血液検査なども組み合わせ、患者様一人ひとりの症状やお悩みに合わせて、最適な診断と治療をご提案いたします。

「こんな症状で受診していいのかな?」と迷われた時も、どうぞお気軽にご相談ください。 私たちは、患者様のお話を丁寧に伺い、不安を和らげ、安心して治療を受けていただけるよう、心を込めてサポートいたします。どうぞ、お気軽にご相談ください。

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